「………お…っ兄ちゃ…ん」


皆の幸せを想う。そして自らを不幸へと追い込むとき、
少女は涙を流しながらその力を使うことを決意した。







「死んでも…死にきれない想いがある」


力が欲しいと願う。大事な人の死が迫ったとき、
少年は涙を恐れずに目の前に運命に立ち向かった。







「機械を造ったお前に、それを言う資格があるか?」


最後まで生きると誓う。目の前に真実が見えたとき、
青年は涙を押し殺して自らの罪を償うことしかできなかった。







「…僕にそんな気持ちなんかない」


人を愛することを望む。感情が大事なものと知ったとき、
少女は涙を思い出して生きるために立ち上がろうとした。







「俺は真実を知りたい」


世界中の人と生きることを欲する。銃を構えたそのとき、
少年は涙を抱き、そして人の生命の尊さと儚さを知った。







これは…涙の物語。





――――――そして、兄弟の物語。