どうしてそう思ったのだろう。 もう一度会いたかったから? 違う。 あいつが憎かったから。 母さんが死んであいつが生きているなんておかしいと思ったから。 だから… 生き返らせたかった。 あいつを見下すために。 なのに… 俺は自分だけでなく、弟まで犠牲にしてしまった。 母さんに二度も痛い目に合わせてしまった。 師匠のところで修行したから、自分が出来る気になっていた。 でも違った。 俺たちは人間だから。 人間が人を作り出すことなんて出来なかったんだ。 失敗をした。 成功もあった。 少なくとも国家錬金術師になったときは成功だったんだと思う。 …少なくとも。 軍の狗になったけれど、俺は生きていた。 そこに、生きていた。 なんども人の死に対面した。 だけど… 俺は何も出来なかった。 そこにいたのに。 助けられたのに。 …結局は自分が無能だった。 そんな自分が嫌だ。 だから探す。 アルを救うために。 自分を救うために…。 The end
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